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日本クレアス税理士法人

北大阪本部 えびす会計

会計通信「輪」をお届けします。

2022年9月26日

税優遇と公平性

 先日、特定の企業や個人の税負担を軽減する税制(租税特別措置法)における税の減収額が、2020年度に年間で8兆円を超えるという新聞記事を目にしました。同年度の税収は約60兆円であり、税収に対する減収額の割合が大きいことが分かります。税収全体の1割を超える規模にもかかわらず、情報公開やその税制の効果のチェックが不十分で、特定の企業や個人への隠れ補助金とも呼ばれているとのことです。

 

 租税特別措置法とは何?という方も多いと思います。例を挙げると、個人がローンを組んで住宅を購入した際に受けられる「住宅ローン減税」は一番有名な措置法かと思います。そのほか企業が従業員の給与を増やした場合の「賃上げ減税」も最近よく耳にされるのではないでしょうか。

 

 この法律は、住宅購入への後押しや、従業員の賃金ベースアップを目的とした観点から税制面でバックアップするという特徴があります。しかし、財務省が毎年国会に提出している措置法による減収の効果については、措置法の項目が約370にも及ぶためか、「一部しか公表されておらず公平性に問題があるのではないか」という内容の記事になっていました。

 

 確かに、年末に開かれる税制を決める調査会には、優遇を求める業界団体が押し寄せることが通例ですが、クリアな政策で税制面から企業活動を支援してほしいものですね。